2007年 06月 20日
クーポールの人々。そして牡蠣 |
人種のるつぼ。NYを語るときにしばしば使われる。しかし、その言葉はパリ然り。「ラ・クーポール」は、この街の縮図。日本のガイドブックをめくると、カテゴリーは「カフェ」。でも、夕方から深夜にかけて、200~300人は入るであろう風景は、日本人が考えるカフェとは違う。創業1927年。コクトーやダリ、ピカソが通い、ベルナルド・ルビッチ監督の名画「ラストタンゴ・イン・パリ」の舞台にもなった老舗店。周りを見渡せば、在住の富裕層、そうでない輩、観光客。まさに劇場、誰もが出演者。それぞれのドラマがある。飲み、食事をするだけじゃない。人がオイシイ、ごちそうさま。見てるだけで飽きない。
写真左上から右回りで。「海鮮盛り合わせ」をオーダーするは、白人お上りさんの典型例。→黒人女性ふたりをひきつれた、チョイワルオヤジ!?の今夜はいかに?→「ったく~、お下品ね!」人前で化粧する=お品のなさは、万国共通、褒められたものでない。→「おいおい、あのテーブル、どうなってるんだよ~」「あせるな、新米。よくあることさ」。毎晩戦争。でも、オーダーを間違えないのがスゴイ!→女二人で、終始、無言。「どうしました?もっと、にこやかに~!」思わず、声をかけたくなる。
そして、最後。今夜、我らテーブル担当の彼。席につくなり、私に「お嬢さん!僕、ジェームス・ポンド、あなたのお名前は?」と手の平にチュッ!まったく~、観光客をもてあそんじゃいけません。でもこの彼。ただのおちょうしモノと思いきや、なかなかの切れモノ。食事の終わり頃、用もないのに、我々のテーブルに。白ワインを片手にそしらぬふりで、我々のワインクーラーに。「え、それって?(頼んでないよ!)」に「シ~~!?」のめくばせ。どこかの客のおこぼれを、くすねてきてくれたよう。いたずら&洒落たサービス、ありがとう!また、くるね!
春の始まり、牡蠣は最後の季節。目当ては、ブルターニュ地方で有名な丸牡蠣「ブロン」+α。オーダーするは、「ヌメロ・アン」。お上品な"貴婦人"さながらの旨みが口に広がる。さらっと、一人1~2ダースいけるのが、コワイ!?ワインは「サンセール」。ブロンなど、ここでの牡蠣には、これがいい!
【ラ・クーポール】(カフェ) 102 Blvd. du Montparnasse 75014 Paris TEL 01・43・20・14・20
by Balleta_la_reie
| 2007-06-20 13:29
| イタリア&フランス。学びの欧州